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第五話 【リスキモとメル友】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
「ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー!!ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー!!」
ある週の日曜日、例の三人と一緒にカラオケに行き、楓が一人で盛り上がっている中、あかりは高橋とした会話を思い出していた。

「そうだけど」突然高橋に名前を聞かれたあかりは、そう素っ気なく返すことしか出来なかった。
「私、高橋 莉子です。よろしくお願いします」高橋が、丁寧に言う。
「それは知ってるけど・・・何か用?」我ながら酷い態度だな、とあかりは思った。
高橋と二人で一緒にいるところを、誰かに見られたくなかったのだ。
「特別に用があるっていうわけじゃないんですけど。お話したことないな~、って。」意外とはきはきと喋る高橋を見て、あかりはあっけにとられた。
「あ、学校とは違う、って思ったんじゃないですか?学校だと、話しにくいから。外の方が、自分らしくいられるんです」そう言って、高橋は複雑な笑みを浮かべた。
そのとき、同学年の男子たちが高橋のことを見て、こそこそと話していることにあかりは気がついた。
「まあ、この通り、外でもあまり落ち着けないんですけどね」高橋もそれには気がついているようで、自嘲気味に笑う。
あかりは、ますます一刻も早く家に帰りたくなった。これ以上高橋と一緒にいては、自分まで何を噂されるか分からない。
ましてや、ミサたち三人に、このことが知られてしまったら・・・。
ぞっとする思いで「学校、お疲れさま!じゃあね!」そう言って、あかりはダッシュでその場から逃げ去ろうとした。
「待って!」そう大きな声で高橋に言われたので、おもわず振り返る。
「お話してくれて、ありがとう」今度は、本当に嬉しそうな笑顔で、高橋が言った。

「あかり、ノリ悪いぜ!次は気分上々↑↑一緒に歌うぞ!!」楓のその言葉に、あかりは我に返った。
「あかりん、君かわぅいーね☆」今流行りのチャラ男芸人の真似を、ミサがする。
あかりは、あはは、と適当に二人に対応して「ごめん、ちょっとトイレ」と言って、席を外した。

トイレに入るなり、携帯を開く。新着メールが一件。
『今日は図書館にいます。犯罪心理学の本が新しく入りました』それは、高橋からのメールだった。
実は、あかりは高橋とアドレス交換をしていた。ほんの少し、会話とはいえない会話をしただけなのに、それだけで純粋に喜んでくれた高橋のことを、どうしても突き放せなかったのだ。
だから「学校で話すとかは無理だけど、メールなら良いから」と、随分と上から目線ながらも、そうおもわず口にしたのだ。
高橋は、子供のようにキャッキャと喜んで「携帯買ってから、初めてのメル友です」と言ってくれた。

メールのやり取りをしていくうちに、高橋が読書が趣味なことと、そして、自分と同じで、両親が離婚しており、高橋は父子家庭であることを、あかりは知った。そのことを知ってから、あかりは高橋に親近感を抱いた。
『図書館、本当に好きなんだねっていうか、前から思ってたんだけど、犯罪心理学の本って何?』そう返信する。
いつもこんな調子で、話が合うわけではなかったが、今までの友達や、ミサたちとは違うものを、あかりは高橋に対して感じていた。

そこに、玲奈が入ってきた。
「あかりちゃん、超遅い~。誰とメールしてるのぉ?カレシ?」そう言って、玲奈が携帯を覗き込もうとしてくる。
「ううん!ただの友達だよ」あかりは慌てて携帯を閉じた。
「ふぅん。なんだか怪しいなぁ~。まぁ、どうでもいっか」玲奈はすぐに、あかりを放って化粧直しを始めた。
あかりはほっとした。高橋とメールしていることがミサたち三人に知られてしまったら、大変なことになってしまうのは、目に見えている。

そのとき”ファイト!”の着うたが鳴り響いた。カラオケの店内がうるさかったので、マナーモードにしていなかったのだ。
「今度こそ、カレシでしょぉ~?」玲奈が近づいてくる。「最近、あかりちゃん、良く誰かとメールしてるよね。怪しくないなら玲奈にも見せてよ!」そう言った玲奈は、いつものおっとりとした雰囲気をなくし、本性の腹黒さが現れていた。
「別に、見ても良いけど・・・」そう言いながら、あかりは動揺を隠すことに精一杯だった。
「そう?じゃあ見せて」玲奈が手を突き出してくる。「分かった」そう言って、あかりは玲奈に携帯を開いて見せる。
高橋からのメールではありませんように、高橋からのメールではありませんようにと、あかりは祈った。

『あかりん、早く戻ってきなさい』それは、ミサからのメールだった。
「なーんだぁ。つまんないの。じゃあ、一緒にもどろっか」玲奈があかりの手を引く。あかりは、心からほっとした。
「あっ、でも」玲奈が部屋に向かう途中で突然、足を止めた。
「あかりちゃんが本当に怪しいのは・・・男とじゃないよね。例えば、リスキモ、とか」
あかりは、その発言を聞いて、全身が凍りついた。

「玲奈、男子たちから聞いたんだよね。あかりちゃんが、リスキモと話してたって」
玲奈が、何を考えているのか分からない、不気味な表情と声で言う。
「アドレスも交換してたんだって?玲奈たちの知らないうちに、すっごく仲良しさんになったんだねぇ」
そう言って、玲奈はあかりの肩を叩くと「でも、大丈夫。ミサちゃんたちには、秘密にしておいてあげるから。でもその代わり、玲奈のお願い、聞いて?」

玲奈は、にやりと笑った。
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編集 / 2012.06.04 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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