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第六話 【敵に回してはいけない相手】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
『そうなんだあかりちゃんはなんの食べ物が好きなの?俺は中華かな今度、一緒に行こうよ
はあ、と、もう梅雨入りした六月のある日、自分の部屋でそのメールを開いて、あかりはため息をついた。
「秘密にしてもらうからって、こんな人とメールしてたくないよ・・・」独り言が口をつく。

玲奈の出した条件とは、こんなものだった。
「あかりちゃん、玲奈のカレシとメールして。今、アドレス赤外線で送るから」言うが早いが、玲奈はあかりに携帯を向けてきた。
「えっ、なんで?」あかりが戸惑うと、玲奈は「だって、玲奈のカレシ、他にも女が沢山いるみたいなんだもん!」と怒りながら答える。
理由になっていない理由に、更に戸惑っていると「良いから早く。ケータイ出して」そう催促されたので、あかりはしぶしぶ玲奈のカレシこと、外岡 祐介のアドレスを受け取った。
「玲奈からカレシには伝えておくから、毎日ちゃんとメールしてね」そう言って、さっさと玲奈は一人で歩き出し「たっだいまー!!」と、カラオケの一室のドアを開けた。
まだ、楓が「ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー!!」と一人で歌っていたので、その声はかき消されてしまったが。

そんなわけで、仕方なく祐介とメールを毎日しているのだが、この祐介、とにかく軽いのだ。
あかりが玲奈の友達であることは当然知っているのに、平気でしつこくデートに誘ってくる。
玲奈の思惑は分からないが、とりあえずひたすらその誘いを断り続けるしかなかった。
『私は和食が好きなので、合わないですね玲奈がいるんだし、玲奈と行ってください』いつも通り、玲奈の存在を立てたメールを返す。

そのとき、またメールを受信した。誰かな、と思って開くと、高橋からだった。
『もし良かったら、今度遊びに行きませんか?このあたりだと誰かに見つかっちゃうかもしれないから、アキバとかで』アキバって・・・と思いながらも、あかりは自然と指が動いていた。
『良いよ学校では話が出来ないぶん、色々と話そう』それは、OKの返事だった。

次の日、あかりが学校に着いて、上履きに履き替えていると、玲奈に話しかけられた。
「おはよーあかりちゃん☆最近、うちの馬鹿カレシはどう?」にこにこと笑いかけながらも、返事を一歩間違えたら、どうなるか分からない。そんな雰囲気を、玲奈は漂わせている。
「大丈夫だよ。ちゃんと玲奈ちゃんひとすじにしておけ、って毎回言ってるから」何が大丈夫なのかは自分でも良く分からなかったが、あかりはそう答えた。
「ふぅん」そう言ってから、玲奈は「あかりちゃんって、結構テキト~だよねぇ」玲奈は、ふふ、と目を伏せて笑った。
その態度にぞっとする以上に、腹が立ってしまったので「そんな言い方、ないんじゃない?そもそも、玲奈ちゃんがメールして、っていうから、仕方なくメールしてるのに」と、おもわずあかりは言ってしまった。
まずい、と思った瞬間、玲奈が見る見るうちに顔を真っ赤にさせた。
「あかりちゃん、サイテー。どうなるか、玲奈、もう知らない!」そう言って、玲奈は走り去ってしまった。

ああ・・・やってしまった・・・とあかりが頭を抱えていると、ミサがやってきた。
「あかりんおはよう♪あれっ、どうかしたの?」ミサが心配そうにあかりの顔を覗き込む。
「大丈夫、大丈夫」と、あまり大丈夫ではないのだが、またも大丈夫とあかりは言った。
「本当に大丈夫?顔、真っ青だよ。保健室、一緒に行ってあげようか?」玲奈とは正反対に、自分の顔は真っ青なのか、とあかりはぼんやりと思った。
「トイレ行けば、大丈夫・・・」とりあえず、一人になりたかったので、あかりはトイレに行くことにした。
いつも連れションをしているので、ミサがついてこようとしたが、なんとかそれを振り切った。

『どうしよう、玲奈ちゃんのことを怒らせちゃったから、高橋のこと、ミサちゃんと楓ちゃんに言われちゃうよ』そう考えて、絶望的な気持ちになる。
でも、これは本来、おかしな話なのだ。なぜ、高橋と仲良くしているということで、玲奈に弱味を握られたような気持ちになっているのだろう。
おまけに、言いなりになって、人の彼氏としたくないメールまでして・・・我ながら、情けない。
堂々としていれば、案外大丈夫なのではないか。優しいミサちゃんのことだ。きっと分かってくれるに違いない。
それに、ミサちゃんが分かってくれれば、楓ちゃんもそれについてきてくれる。
前向きに考えていると、あかりは、徐々に元気を取り戻していった。
そうだ。おもいきって、高橋とメールしているということを、自分から言ってみよう。
そう決意して、あかりはトイレから出た。
そのトイレは、これからの学校生活を暗示するかのように、汚い方のトイレだった。

教室に入ると、何か空気がおかしいことに、あかりはすぐに気がついた。
なんだか、皆が一斉に自分の方を見ているような気がする。
どうかしたの、と、ミサに聞こうとする前に、原因は分かった。

玲奈が、あかりのことを指差しながら、号泣していたのだ。
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編集 / 2012.06.05 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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