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第八話 【メール攻撃】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
あかりは、悪夢にうなされていた。
それは、ミサをはじめとした三人が、あかりを囲んで、責め立ててきているというものだった。
「信じらんない」「サイッテー!!」「友達だと思ってたのに」「ヤリマン・・・」
そう一方的に三人に責められていると、ミサが寂しそうな笑みを浮かべて、あかりに背を向けた。

「待って、ミサちゃん!」そう言って、あかりは飛び起きた。
良かった、夢だったのか・・・と思ってから、現実はもっと酷いことに気がついた。
大好きなミサに死ねと言われ、突き飛ばされたところまでは覚えているのだが、その後の記憶がない。
どうやら、あかりは保健室で寝かされていたようだった。

「あら、起きたの?」保健室の先生が、ベットのカーテンを開ける。
「どう、頭は痛む?」と聞かれたのだが、頭はそれほど痛くなかったので「いいえ」とあかりは答えた。
むしろ、楓に殴られた頬の方が、よっぽど痛かったし、第一、今は体の痛みどころではなかった。
「脳内出血の可能性も絶対にないとはいえないから、念のために今日は早退して、病院に行っておいた方が良いわ。お母さんは、家にいらっしゃる?」それに対してあかりは「いいえ」とまた答えた。
あかりの母親は、生活のためにほとんど毎日、朝から夜まで休みなく働いているので、当然、あかりが学校にいる時間帯に家にいるわけもなかった。

「そうなの。それなら、先生が病院までついていった方が良いかしらね・・・」そう先生が言った途端に「先生!大川さんのことなら大丈夫です。私たちがついてますから」と、ミサたち三人がひょっこりと顔を出した。
あかりは、おもわず悲鳴をあげそうになった。
「あなたたち、友達思いなのは良いけど、早退したいだけなんじゃない?」先生が笑いながら三人に言う。
「だってぇ~、あかりちゃんがふらふらしてるなぁ、って思ってたら、突然教室のドアに向かって、後ろから倒れたんだもん。びっくりしたよぉ」玲奈が、もはや完全に演技と分かる調子でそう言った。
なるほど、この一件は、そういう話になっているのか、と、あかりはもはやさほど驚くこともなく受け入れた。
「病院は一人で行けますから。大丈夫です」あかりは、そう言ってベットから降りた。
「本当に大丈夫?私たちがついていってあげるのに」ミサたち三人が笑っている。
その笑顔は、不気味な、悪魔の笑顔にしか見えないようになっていた。

「さすが大病院。これほど時間がかかるとは・・・」自宅のベットに寝転がりながら、あかりはそうぼやいた。
念のために、精密検査をしておいた方が良いということで、自宅からは数駅かかる大病院を先生に紹介されたのだが、散々待たされるわ、精密検査をされるわで、たっぷり三時間は時間がかかったのだ。
おまけに、違う意味で言った「頭が痛い」という発言を「それは大変だ!」ということで、医者によって、なぜか点滴まで打たれてしまった。
ここまでやって、結局は異常なしということで、なんだかかえって疲れが増しただけだったが、学校から逃げ出せたことは、今のあかりにとっては不幸中の幸いだった。

『明日からの学校・・・どうしよう・・・』考えれば考えるほど、落ち込んでいく。
玲奈はまだしも、ミサと楓が豹変してしまったことは、とても辛いことだった。
おまけに、クラス中の生徒たちを敵に回してしまったのだ。
明日からの学校生活が、どんなに酷いものになるか、容易に想像がついた。

そのとき、例によって”ファイト!”の着うたが鳴り響いた。
ミサたちからだったら嫌だな、と思いながら、のろのろとあかりは携帯を開く。
『タダでやらせてくれるんだって?セフレになりませんか』
『この顔で割り切り二万じゃ高いよ(笑)。一万にしてくんない?』
『中学生でそんなプレーに興味があるなんて、今の時代は怖いね~。ほんとにこの住所で間違いないの?』
そんなメールが、次々に受信ボックスに入ってくる。
あかりは、パニック状態になった。まさか、これもミサたちの仕業なのだろうか。

その中に一通、見知った名前からのメールがあった。
『今日は嘘ついちゃってごめんなさい。詳しくは分からないですけど、私のせいで、こんなことになってしまったんですよね・・・?今週日曜日に遊んで、そのときにゆっくりお話しましょう』それは、高橋だった。
ミサたちの態度がショックですっかり忘れていたが、そういえば、高橋も、あかりとメールしていることを否定したのだ。
とはいえ、あの場では、誰もがおもわず否定してしまったに違いない。
あかりは、クラスの中で唯一味方になってくれるであろう、高橋の存在を、大切にしたいなと思った。

あかりはその日の夜、自分が登録されている出会い系を突き止めたりすることで大忙しだった。
あかりの画像と実名と共に『タダで大丈夫です☆やり目大歓迎』『割り切り希望。二万でお願いします』などという書き込みが見つかった。
そんな中、一番ショックだったのは、あかりの住所と共に『無理矢理押しかけてきてください。そんなプレーに憧れる中学生です』という書き込みを見つけたことだった。
万が一、本当に押しかけてこられてしまったら・・・あかりは、おもわず涙が溢れてきた。
涙が出たのは、これを書い人物が、きっとミサであることが分かったからでもあった。
今の学校の生徒の中で、あかりの家を知っているのは、ミサぐらいだったのだ。

あかりは、その夜、一睡もすることが出来なかった。
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編集 / 2012.06.05 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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