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第十話 【解けない誤解】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
「教室に戻ってこないから、心配になって呼びにきちゃった☆」ミサの明るい声が、トイレの中に響く。
「汚い人は汚いところにいるかな、って思ったけど・・・やっぱり、こんなところにいたんだね」そう言ってから、何が面白いのか、ミサはケラケラと笑い声を立てた。
「ほら、隠れてないで早く出てきなよ。あんたがいないって鈴木が知ったら、私にしつこく聞いてくるだろうから」ドンドン、と、ミサがあかりの入っているトイレの個室のドアを叩く。
あかりは、恐怖で足ががくがくと震えて、立っていられなくなり、汚いと知りながらも、おもわずその場にへたりこんでしまった。

「ミサちゃん、聞いて」それでも、あかりは言った。
「んー?何を?」相変わらずドアを叩きながら、ミサが答える。
「私、玲奈ちゃんの彼氏と、エッチなんてしてない。全部、誤解なんだよ」このタイミングを逃せば、永遠に言えなくなってしまうかもしれない。そう思ったからこそ、あかりは今、おもいきってそう言った。
「ああ」たるそうにミサが言って、一旦ドアを叩くことをやめた。
分かってくれたのだろうか。そうあかりが思っていると、上から、使用済みの生理ナプキンなどの、ゴミが降ってきた。
「私、嘘つきって一番嫌いなんだよね。だから、あんたのこと、大嫌い」そう言って、ミサはドアをおもいっきり蹴り飛ばすと「死ね!」と昨日のように言ってから、去っていった。

ゴミに囲まれながら、あかりは呆然としていた。
自分は、ミサに完全に信じてもらっていない。それはもうとっくに分かっていたことだったが、真実を伝えても、聞く耳すら持ってもらえないのだ。
あんなに仲が良かったのに。それは、全て偽りだったというのだろうか。
あかりは、玲奈がした嘘泣きとは違い、楽しかった日々を思い出しながら、号泣した。

泣きはらした目で教室に戻るなり、鈴木が声をかけてきた。
「どうしたんだ、大川。なんだか今日は元気がないぞ」それに対し、大丈夫です、とかなんとか、適当に答えて受け流そうとすると、鈴木はしつこく「何かあったら、先生に言いなさい」と言ってきて、あかりの肩を、ぽん、と叩いた。
その鈴木の態度を、あかりはおもわず、気持ち悪いと思ってしまった。
あかり自身が学校の皆に気持ち悪いと言われているというときに、おかしな話ではあるのだが、それだけ鈴木の態度は不信感を抱かせた。
今まで、私をはじめ、あれだけ生徒たちに対して無関心だったのに・・・あかりは、鈴木の態度に何か裏があるような気がした。

その日は、極力他人のことを気にせず、家に帰るときも裏道を隠れて走ったことで、なんとか自分に対するいじめを悪化させずにすんだ。
相変わらず、一番の問題といえば、出会い系からのメールである。どうやらミサが次々にサイトへあかりのことを登録していっているようで、メールの件数は増えていくばかりだった。
あかりは携帯を開いて、おもわず「げっ、三百件も来てる・・・」と口にした。
学校でもこっそりとメールを確認していたのに、もう既にこれだけメールが届いているとなると、もはや個別に対応していくことは不可能だ。

とりあえず、あかりはアドレスを変えることにした。
ミサたちにはもちろん、学校の生徒には教えず、新しいアドレスのことは、前の学校の友達と、母親だけに教えることにしよう、そう思った。しかしそこで、あかりは高橋の存在を思い出した。
一応、今週の日曜日に遊ぶ約束をしているが、一体どうすれば良いのだろうか。
今はとても、学校の人間と遊ぶ気分にはなれなかった。
それでもなぜか、気がつけば、高橋にアドレス変更のメールを送っていた。

アドレスを変更したことで、一旦メール攻撃は収まった。
しかし、今度はすぐに、電話の方がガンガンかかってくるようになってしまった。
出会い系経由の電話の合間に『逃げようとしても、無駄だから』といったミサからの留守電が、いくつも入ってくる。
あかりは、ミサのアドレスを消して、アドレス登録外着信拒否に携帯の設定を直した。
これのおかげで、着信履歴は残ってしまうものの、出会い系の連中と、ミサからの直接の言葉は聞かずにすむようになった。
まだまだ全然問題は解決していないものの、あかりは、ストレスの原因が一つ減ったことに喜びを感じた。

あかりが一息ついたとき”ファイト!”の着うたが流れた。
携帯を開くと『アドレス変更の件、了解です。来週の日曜日は、何時にどこで待ち合わせにしますか?』それは、高橋からのメールだった。
慌しい中、高橋と一緒に遊ぶという話は進んでいたのだ。
『お任せします。楽しみにしてるね』そう返信すると、あかりは、疲れのせいで、まだ7時にもならないうちに眠りについた。
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編集 / 2012.06.06 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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