スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
編集 / --.--.-- / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
第十一話 【反撃】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
あかりへのいじめは日に日にエスカレートしてゆき、言葉や態度でのいじめだけでなく、下駄箱や机の中にゴキブリの死骸が毎日入れられるようにもなった。
机や教科書への落書きなどの、証拠が残るいじめなら、教師たちに訴えることも出来るのだが、このように、いくらでも言い逃れ出来る手段を使ったいじめだけをされた。
それでも、黒板に『ヤリマン死刑』などと書かれる日もあったが、鈴木は「誰だ!!こんなくだらない落書きをしたのは。消すのが面倒だろう」と言うだけだった。

「きっもい机はおっかたずけ~♪」また違う日の朝、山田が、聞いているだけで腹が立ってくるような歌を歌いながら、あかりの机を教室の外に出していた。
それは、玲奈の指示でやっていることは明白で、終わった後に「山田、可愛いねぇ」とか言いながら、玲奈が山田のことを褒めていた。
これは、反撃のチャンスかもしれない、とあかりは思った。
自ら自分の机を外に出す馬鹿はいない。机が外に出ているところを見せつけたら、さすがの鈴木も、何か対応をしてくれるのではないか。

あかりは、鈴木が教室の前に来たときに、おもいきって「すみません、私の机が、外に出されたんですけど」と言った。
「ああ?」と鈴木が言う。明らかに面倒そうな顔をしている。
「お前の机が邪魔だったんだろう」そう言って、鈴木はさっさと教室に入ろうとした。
「待ってください!」あまりに酷い鈴木の対応にも、あかりはめげなかった。
「実は、こういう嫌がらせを、少し前から、毎日されるようになったんです。黒板に書かれてた、ヤリマンっていうのも、私のことです」泣き出しそうになりながらも、あかりは必死に訴えた。
それを聞いた鈴木は、表情が固まって、しばらく何も言わなかった。
あかりは、ごくり、と唾を飲みこんで、鈴木の次の発言を待った。
「とりあえず、我慢しなさい」そう言って、鈴木はあかりの肩を叩くと、教室に入り、例によって「静かにしろ!!」と生徒たちに怒鳴った。

あかりは、鈴木の対応に絶望した。
元々、全く頼れないことは分かっていたが、これほどまでに酷いとは。
上履きの件では興味を示したかのように見えたのに、結局は、臭い物には蓋をするという主義なのだろう。

あかりは、机を自分の手で教室に戻し、席に着くと、机の上に突っ伏した。
ミサが「なんだか、鈴木と楽しそうに話してたね♪もう、鈴木ともやったの?」と言ってきたが、無視をした。
それを聞いた他の生徒も、実際に鈴木とそういう関係なんだろうかとか、キモいとか、そんなことを一斉に言い出す。
「玲奈、こんな奴がカレシとえっちしたなんて、耐えられなぁい」そう言って、玲奈がまた泣き真似をし始めた。
ミサは、玲奈を慰めながら「私、あんたと一瞬でも友達だったことが、恥ずかしいわ」と、あかりを心から見下しているような眼で見て言った。

ミサのその発言で、あかりの中で、何かが壊れる音がした。
「てめえ、いい加減にしろよ!!」そう叫んで、勢い良く席から立ち上がり、玲奈に歩み寄って「泣き真似してんじゃねえよ、このパチこき野郎。ヤリマンなのは、てめえの方だろうが」と言って、玲奈のことを引っぱたいた。
一瞬、教室中がシーンとなった。鈴木も、何が起きたのか、すぐに事態が飲みこめないのか、ぽかーんとしている。
静寂を引き裂いたのは、玲奈の悲鳴に近い泣き声だった。
「痛い、痛いよぉ」そう言って、今度は演技ではない様子で、本気で泣いている。
「てめぇ、ふざけたことしやがって・・・」怒り心頭といった形相で、楓が近づいてきた。
「また殴りたいなら、そうすれば?私はこいつと違って、泣いたりしないけどね!」玲奈を指差して、あかりは言った。
楓は、あかりのその堂々とした態度に押されたのか、畜生、と悔しそうに言って、手を出してこなかった。

「おい、これは一体どういうことだ」今度は鈴木があかりに近づいてくる。
「大丈夫です」あかりはにっこりと笑うと「先生には、全く関係のないことですから」と言った。
「あ、ああ。それなら良いんだ。松本も、早く泣きやめ」そう言って、鈴木は教卓に戻り「それでは、ホームルームの続きを始める」と、そのまま本当に続きを始めてしまった。
それでも、玲奈はずっと泣いているままだったが、誰も何も言わなかった。
ミサでさえも、言葉を失って、呆然とした表情であかりのことを見つめていた。

その日は、あかりに対するいじめが一切なくなった。
朝の一件を知らない他のクラスの生徒たちは、相変わらず何か言ってきたが、噂が広まったのか、すぐにそれもなくなった。
あかりは、いじめに立ち向かうには、誰かに頼らずに、自分一人で行動するのが一番だ、と思った。
自分があそこまで反撃出来るとは、考えてもみなかったが、いざやってみると、気分がすっきりとした。
そもそも、転校してから内気気味になっていたのだが、本来の自分は気が強いのだ。
これからも、徹底して立ち向かってやる。私は、いじめには絶対に負けない。あかりはそう決意した。

その日の放課後、体育館の倉庫の中という、定番の場所で、ある男女二人がこっそりと話をしていた。
しかし、それは決して二人が恋人同士というわけではなく、男の一方的な愛情による関係だった。
「調子に乗りやがって・・・私、超気分最悪。あの女のコト、絶対に許せない!!」女の方が、猛烈に怒っている。
「そうだよね。俺も許せないよ」男が、女の機嫌を取るように言った。
「それじゃぁ~、私のお願い、聞いてくれるぅ?」そう言って、女は上目遣いに男のことを見た。
「もちろんだよ。君のためなら、俺はなんだってする」男は、デレデレとしながら言った。

「ありがとう。それなら、あの女のこと、めちゃくちゃにしてやって」そう言って、女は中学生にはとても見えない、妖艶な笑みを浮かべた。
スポンサーサイト
編集 / 2012.06.06 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
カテゴリ&月別アーカイブ
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。