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第十二話 【束の間の平穏】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
あかりが例の反撃をしてから、いじめは一気に終息へと向かっていった。
元々、玲奈の罠で始まったいじめであり、あかり自身に非はないのだから、当然といえば当然だ。
相変わらず、ミサたち三人はヤリマンだのなんだのと目の前で悪口を言ってくるが、他の生徒たちは、あかりに話しかけてくれはしないものの、露骨ないじめはしてこなくなった。
学校で話し相手がいないというのは寂しいことだったが、いじめを受けるより、孤独の方があかりはよっぽどマシだと思った。

そして、いよいよ高橋と遊ぶ日曜日になった。
あかりは、久しぶりに誰かと遊べることが、本当に嬉しかった。
とりあえずS駅で高橋と待ち合わせすると、そのままアキバへ直行することになった。
「高橋さんって、そういう格好するんだね・・・」あかりは、高橋のことをまじまじと見つめた。
いわゆるゴシックロリータと言われるような服装に、黒い傘。いつもの眼鏡は、紫のカラーコンタクトに代わっている。
高橋は、酷い猫背なので、歩く姿が、まるで魔女のようだった。
「こういう格好が、昔から好きなんです。黒魔術に興味があって」と、案の定、高橋はそう答えた。

高橋に連れていかれたのは、メイド喫茶でも、某アイドルグループの劇場でもなく、裏通りの、パソコンショップだった。
いかにも、といった感じの男たちが、狭い店内にひしめいている。
「私、ちょっとジャンク品漁りますから」そう言って、高橋は、店の片隅に置いてあるダンボール箱を漁り始めた。
あかりがあっけにとられていると「良いパーツは、あらかた持ってかれちゃったみたいです。お茶でもしましょうか」と、高橋がマイペースに言った。

某ファーストフード店に入り、長蛇の列を並んでいると、唐突に高橋が「ところで、いじめの方は大丈夫ですか?」と、オブラートに包むことなく聞いてきた。
「まあ、なんとか」あかりは、少し間を置いてから答えた。
「大川さんがいじめられるようになったのって、そもそも、私と仲良くしたせいなんですよね?」またも、高橋がストレートに聞く。
「高橋さんのせいじゃないよ。自分がどっちつかずの、優柔不断だったのがいけなかったんだ。これからは、仲良くしたい人とは仲良くする。そう決めたんだ」あかりは、今度はきっぱりとそう答えた。
「ありがとうございます。照れます」そう言って、高橋はにっこりと笑った。
その笑顔はとても素敵で、高橋は、ミサたちが言っていたような不細工ではなく、意外と可愛い顔をしているんだな、とあかりは思った。

「私、プリクラなんて、生まれてから初めてです」二人は、次はゲームセンターに行った。
最初のうちはクレーンゲームや、音楽ゲームをやったりしていたのだが、お金がいくらあっても足りないことに気がつき、とりあえず、今日の記念にプリクラを撮ることに決めたのだ。
「プリクラ撮ったことないなんて、珍しいね」そう言ったあかりも、プリクラを初めて撮ったのは、ミサたち三人とだった。
そういえば、この機種で四人でプリクラを撮ったんだったな・・・と、あかりは寂しく思った。
「物凄く目が大きく撮れてますね」出来上がったプリクラを見ると、確かに相当目が大きく写っている。
「宇宙人みたいだね」あかりがそう言うと、高橋はツボに入ったのか、大爆笑していた。

「今日は、ありがとう。楽しかったよ」と帰り道に言ったあかりは、高橋と過ごすことで、不思議な楽しさを感じられたことに、改めて気がついた。
「こちらこそ、本当にありがとうございました」高橋が、深々とお辞儀をする。
「学校ではお話出来ませんが、またこうして遊んだり、メールしたりしましょうね」と、高橋が続けて言う。

最初とは、すっかり立場が逆転したなと思い、あかりは苦笑しながら「そうだね」と言った。
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編集 / 2012.06.07 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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