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第十三話 【いじめ、再び】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
あかりはその日、近所の交番に訪れていた。
例の、出会い系へ画像や住所などを書き込まれてしまったことを相談するためである。
「うーん、それは確かに、心配ですねえ」年配の警察官は、あまりネット仕組みことを分かっていない様子であかりの話を聞いている。
「本来なら、サイバー犯罪相談窓口の方に相談して頂けるとありがたいんですが。私どもとしては、このあたりのパトロールを強化したいと思います。また何かあったら、すぐに言いに来てください」そう言って、警察官は話を切り上げた。
ありがとうございます、と言って、あかりは頭を下げると、交番を後にした。

サイバーなんとかに相談せずに、あえて近所の交番の方に相談しに行ったのは、あまり事を大きくしたくなかったからだった。
そちらの方に相談すると、根掘り葉掘り事情を聞かれるだろうし、そして、万が一の話ではあるが、書き込んだ人間・・・おそらくミサに話が行くことを恐れたのだ。
逆恨みが怖いということもあったが、一度は友達だった相手のことを犯罪者扱いすることは、あかりには出来なかった。
我ながら、甘い考え方だと思う。まだ、ミサに対して未練があるのかもしれない。
しかしあかりは、そんなふうに人に甘い自分が嫌いではなかった。


次の日、学校に行くと、あかりはすれ違う生徒たちに、指を指されて笑われたり、こそこそ話をされたりした。
まさか、またいじめが始まったのか。急いで教室に向かい、ドアを開けると、クラスメートたちの嘲笑で迎えられた。
『ヤリマンの決定的瞬間入手!!』と黒板に書かれているその横に、でかでかと写真が貼ってあった。
それは、あからさまに合成だと分かるものの、あかりの裸の写真だった。
あかりは教室中の視線を浴びながら、その写真を思いっきり引き剥がした。
そして、ミサたち三人に歩み寄ると「また、あんたたちの仕業?」と、睨みつけながら言った。
「はあ?」楓は憤慨しながら「アタシたちじゃねーよ。てめぇが自分で貼ったんじゃねーの?」そう言って、ミサと玲奈にも意見を求める。
「玲奈、ほんとに今度はなんにもしらなぁい」玲奈が言うと、ミサも「私には、写真を合成する技術なんてありません」と、きっぱりと言った。
その三人の態度を見るかぎり、どうもそれは本当のようだった。
あかりは、引き剥がした写真を改めて見てみると、あることに気がついた。
その写真のあかりの顔は、高橋と撮ったプリクラのうちの、一つだったのだ。

日曜日に遊んだときに「私、ネットサーフィンとかが好きなんです」と高橋は言っていた。
「画像とか集めるのも、すっごく好きで。ソフトを使って、自分で加工したりもするんですよ」とも。
まさか、高橋が・・・あかりは、その考えをすぐに頭の中から追い払った。
高橋は、自分がいじめを受けるようになっても、唯一友達でいてくれた存在だ。
その友達を疑うことは、またしても、あかりの甘さが許さなかった。
だけど、それならば、どうしてこの写真に、プリクラの顔が使われているのだろう。
あかりはすぐに、それを高橋本人に聞くことにした。
「高橋さん、この間一緒に撮ったプリクラ、誰かにあげたりしなかった?」そう聞くと「いいえ」と高橋が即答する。
それ以上は、あかりとは学校内では話したくない、というように、高橋は押し黙ってしまった。

その日から、あかりに対するいじめが再開した。
今度は、前よりも酷いもので、石を投げつけられたり、とうとう、机や教科書への落書きもされるようになった。
当然ながら、それを見せても、鈴木はまともに取り合うことをしなかった。
他の教師に相談しても、似たりよったりな対応で、スクールカウンセラーに相談しても「こんなことが続くのは、少しの間だけ。それまであなたが耐えれば良い話なのよ」と言われた。

あかりは、やはり、いじめに反撃出来るのは、自分自身しかいない、と思い知らされた。
死ね!と言われたら、殴りかかるような勢いで飛びかかっていったし、落書きは、証拠として携帯で撮っておいた。
それでも、多勢に無勢、どんなに抵抗をしても、無駄だった。

そして、あかりが今まで生きてきた中で、最悪の出来事が起きるまでに、時間はかからなかった。
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編集 / 2012.06.07 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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