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第十五話 【疑惑】
カテゴリ: 【トイレが友達】 / テーマ: 自作連載小説 / ジャンル: 小説・文学
「そうなんだぁ、最後までヤれなかったんだぁ」山田は、あかりの家を後にすると、すぐに自分の好きな女に電話をかけた。
「邪魔が入っちゃったから・・・でも、画像と動画は撮ったから、送っておくよ」残念そうな声を出す女に対し、媚びるように、山田は言う。
「良くやったね。えらぁい」女は、そう言ってから、一瞬間を置くと「あの女、苦しんでた?」と山田に聞く。
「スゲーびびってたよ。やっぱり、ヤリマンでも、レイプは怖いんだな」山田のその答えに、女は心から満足そうに「ふふ、それなら良かったぁ」と言った。

手首を切ったあと、あかりはすぐに正気を取り戻して、カッターを床に置いた。痛みはそれほど感じなかった。
しかし、かなり出血して、腕は血まみれになり、床にまで血が広がってしまっていた。
自分でも驚くほど冷静に、あかりは行動した。まずは腕を洗い、切った箇所に絆創膏を貼る。
それでもみるみるうちに血はまた溢れてきたので、重ね貼りをした。
次は、床の血が固まってしまう前に拭かないと、と思い、タオルと新聞紙で、床を綺麗にした。
床に転がっているカッターを見ていると、また手首を切りそうになってしまったので、あかりはそれを自分の部屋の押入れに放りこんだ。

一通りの処理を済ませると、血のついた服を脱ぎ捨て、あかりは風呂に入って、必死に体を洗った。
特に、山田に触られ、舐められてしまった胸を、赤くなって傷ついてしまうほどに。
それでも、あのおぞましい感触は、決して消えることがなかった。
あかりは、自分は汚れてしまった、と思った。
もう、二度と涙は出ないのではないか、というぐらいに泣いた。シャワーがそれを、洗い流してくれた。

次の日、あかりは、ベットから出ることが出来なかった。
いや、そればかりか、体を動かすことさえも、満足に出来ない。
昨日のことが夢であれば良かったのに、と思ったが、記憶は、はっきりと残ってしまっていた。
「どうしたの?もう、学校に行く支度をしないと。まだ、熱が下がってないの?」心配した様子で、母が部屋に入ってくる。
あかりは、咄嗟に手首を隠して「うん・・・まだ、調子悪いみたい」と言った。
「顔色が凄く悪いものね。また学校に連絡を入れておくけど、今日で治すこと。それじゃあ、お母さんは、仕事に行ってくるから」そう言って出ていこうとする母に対して、あかりはおもわず、待って!と叫びたくなった。
外へは、出たくない。だけど、家に一人でいることは、もっと怖かった。
それでも、助けを求める声は、出てこなかった。あかりは、またも一人で家で過ごすことになった。

その日の学校では、相変わらず、サンコイチが一緒に話をしていた。
「ヤリマンの奴、とうとう登校拒否になりやがったな。つまんねぇの」楓が言うと、玲奈も「いじめる相手がいなくて、玲奈、つまんなぁい!」と言った。
しかし、ミサだけは、複雑な表情を浮かべて、黙っていた。
「ミサちゃん、どぉしたの?ヤリマンのことが恋しいのぉ?」笑いながら玲奈が聞いても、ミサは黙ったままだった。
「おい、ミサ、どうしたんだよ。まさか、ほんとにヤリマンのことが・・・」「違う!」楓の発言に、ミサは突然、大声を出した。
二人があっけにとられていると、ミサは「ごめん、今、生理前でイライラしてるんだ」と言って、教室から出て、どこかへ行ってしまった。
「なんなんだ、あいつ?」楓が首をかしげると、玲奈が「ヤリマンのコト、一番いじめてたのはミサちゃんなのにねぇ。玲奈、意味わかんなぁい」と、少し苛立った様子で言った。

そのとき、山田が玲奈に近づいて「これ」と言って、携帯の画面を見せてきた。
「ちょっと、近づかないでよぉ」そう言いながらも、玲奈は画面を覗きこむ。
「うっわ、マジキモい」画面を見た玲奈が、吐く真似をしながら言った。
それは例の、あかりを襲ったときの画像だった。
「なんだよ、アタシにも見せろよ」そう言って、楓は山田から携帯を奪い取ると、自分も画面を見た。
「ねっ、超キモくない?」玲奈が、楓に意見を求める。「キモすぎだな」楓はそう言って、すぐに山田に携帯を返した。
山田は、いつものようにニタニタとしているだけで、何も言わなかった。
「山田ぁ、この画像、どこで手に入れたのぉ?」玲奈が聞くと「俺、ヤリマンとセフレなんだ。動画もあるよ」言うが早いが、山田は、今度は動画を再生して、二人に携帯を見せる。
山田に胸を弄ばれ、本気で嫌そうな表情を浮かべているあかりの姿を見て「いや、これ、レイプだろ」と、楓にしては珍しく、難しい顔をしながら言う。
「いくらあいつがヤリマンだからって、ほんとにレイプしちゃダメでしょ・・・」玲奈も、珍しく冷静な意見を述べる。
「最後まではヤれてないから、今度こそは最後までヤってやるんだ」またもニタニタしながら、山田が言った。
その山田の発言に、さすがの二人も顔を見合わせて、言葉が出てこなかった。

あまりにも酷い現実から逃れるように、あかりが死んだように眠っていると”ファイト!”の着信音で、目を覚めさせられた。
「誰・・・」のろのろとした動きで、あかりが携帯を見ると、それは、知らないアドレスからのメールだった。
『昨日の画像と動画、送っておいてやるよ待ち受けにでもしておきな』そのメールには、実際に昨日のレイプ未遂のときの画像と動画が添付されていた。
明らかに、送り主は山田だった。またもパニック状態になりそうな自分を必死に落ち着かせながら、あかりは、なぜ山田からメールが送られてきたのかを考えた。
あかりは当然、山田には自分のアドレスを教えてなどいなかったのだ。
ということは、誰かが山田に、自分のアドレスを教えたことになる。
そうすると、出会い系の件があってアドレスを変えたばかりだから、それは、今のアドレスを知っている人間に限られる。
しかし、学校の中に、新しいアドレスを教えた相手など、いただろうか。
あかりは、更に考えを進ませると、とんでもない、恐ろしい事実に気がついてしまった。

そう、あかりの新しいアドレスを知っているのは、高橋だけだったのだ。
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編集 / 2012.06.08 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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