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ショートショート 【復讐】
カテゴリ: 【ショートショート】 / テーマ: ショートショート / ジャンル: 小説・文学
自分は”復讐”のことだけを考えていた。

だからこそ、これまで生きてこれたのかもしれない。

小学校・中学校で受けた、同級生からの壮絶ないじめ。

おかげで、高校にも行けず、今はフリーターをしている。

毎日毎日、悪夢を見た。

僕は、いつまでたってもあのころのいじめられっこのままだった。


~~

仕事をしている最中でさえも、復讐のことばかり考えていた。

どうやってあいつらの人生を台無しにしてやろうか。

今時は復讐代行屋なんてものもあるらしいが、そんなものに頼む気はさらさらなかった。

自分の手で、あいつらに怨みを晴らしてやる。

それだけが、生きる原動力だった。


~~

復讐の機会は、あっさりと訪れた。

それは、成人式。

クラスの中心グループだった奴らは、間違いなく来るだろう。

僕は、黙って成人式の知らせの紙を握り締めた。


~~

「あっれ~、久しぶりじゃん、××!!」

こそこそ隠れるように成人式の会場に向かった僕に、奴らは声をかけてきた。

「俺たち、あれからずっと心配してたんだよ・・・良かった、元気そうで」

奴らはそれほど変わっていなかった。

でも、一つだけ違うところがあった。

俺に対しての、悪意がなくなっていたこと・・・。


~~

「そうなんだ~、××は今フリーターなんだ」

「××って、絵を描くのとか得意だったよね。その系の道は?」

二次会の居酒屋で、ごくごく普通に元同級生たちと会話した。

恐怖心もあった。

だけど・・・楽しかった。


~~

「じゃあ、また連絡するよ、××ー!!」

「今度は遊園地でも行こうね☆」

手をひらひらと振る僕の中には、すっかりとなくなっているものがあった。

人を、怨む気持ち・・・。


~~

心にぽっかりと穴があいた気分だった。

復讐のために用意した、ナイフを鏡の前に置く。

考えてみれば、こんな小さなナイフじゃ、誰も殺せないな・・・。

僕はいったい、何をしたかったんだろう?


~~

分かった。僕は、普通にみんなと、仲良くしたかっただけなんだ。

それなら、この怨む気持ちは、誰に対して向けたら良いんだろう?


~~

そうだ、いるじゃないか、復讐する相手なら。

この、鏡の中に・・・。

僕は、黙ってそれを自分の胸に・・・



【あとがき】

私自身、いじめを受けてきた人間で、中学では不登校も経験しました。
外出をして、偶然学校の生徒に会ってしまうと、中には、そこでもまた暴言を吐いてくる人もいました。
それが恐怖で、引っ越しをしてからは、ほとんど地元に近寄っていません。

正直に言ってしまえば、どうしても許せない相手というのは何人かいます。
いまだに毎日のように悪夢を見ますし、時には、はっきりと復讐している生々しい夢のこともあります。
しかし、私は実際に復讐を行おうとは、今は一切思っていません。
それは、私が成長したからではなくて、復讐というものほど馬鹿馬鹿しいものはないと思ったからです。

mixiで、同級生の何人かとやり取りをしました。
そのやり取りの中で、誰一人からも当時のいじめの話は出てきませんでした。
プロフィールを見ても、就職したり、結婚したりと、一人一人、それぞれの道を歩んでいる人ばかりでした。

いじめは、いじめを受けた側はそれを一生忘れることはありません。
ですが、人にはそれぞれ、人生というものがあります。
それは、いじめた側だけではなく、いじめを受けた側も同じことです。

それなら、これからは自分の人生を楽しまなければ、損なのではないか。
ただでさえ、学生時代は辛い思いをしてきたのだから・・・。

綺麗事かもしれませんが、人間が出来る最大の復讐とは、自分自身が幸せになることだというのは、嘘ではないのかもしれませんね。
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編集 / 2012.06.10 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
お知らせ
無事に退院することが出来ました。ありがとうございます^^
新しいブログもよろしくお願い致します。
6月27日
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